問題集を何度もしたのに

県庁所在地、言えますか?

小学4年生で、都道府県と県庁所在地を覚えます。 宿題として何度も何度もプリントをします。 夏休みや冬休みの宿題にも出ます。 5年生でも6年生でも、折りに触れてプリントや問題集に現れます。 何回したでしょう?

漢字でも同様です。 一体、何回書いたのでしょう。 数え切れない位に書いています。 中学生の皆さんは、小学1~6年生で習う漢字を全て読み書きできますか?

問題集やプリントを解く機会は、覚える機会でもあります。 ただし、それはあくまで機会に過ぎません。 覚える機会がたくさんあれば、覚えやすくなるのは当然です。 しかし、覚える機会覚えることは全く違うのです。 以下のような場合、覚える機会は覚える結果に結びつきません。

そもそも覚えたいと思っていない

そもそも覚えたいと思っていない点が、最も大きな問題としてあります。 「そんなことはない」との反論があるかもしれません。 その反論の真意1は「そこまでして覚えたくない」ということになります。

勉強嫌いを自覚2する人は、そもそも覚えたいと思っていません。 提出しなければならない宿題や課題を終わらせるために問題集に取り組みます。 覚えたいと思っているわけではなく、解答欄の空白を埋めるために問題を解いています。 従って、覚える機会があっても、覚えられません。

この場合、以下のような動作が見られます。

  1. 間違えた問題を赤で直す
    • 赤で直す目的は「とりあえずした」ことを証明するためのものです。覚えるためのものではありません。
  2. 答え合わせが甘い
    • 答え合わせが適当だったり、答え合わせをしなかったりする場合、それは自分の正解不正解に興味がないということです。つまり覚えたいと思っていません。

この2点がある場合、覚えたいと思っていません。 思っていないのですから、何回強制されても、何回やっても、覚えられません。 宿題や家庭学習が多すぎる場合、簡単にこの状態におちい3ます。

クイズのように問題を解いている

上記は最も簡単なタイプの問題です。 いわゆる1問1答タイプの問題で、いわばクイズ形式です。 最近流行りのITを利用した問題集では特に多い形式です。

この問題形式が悪いのではありません。 しかしこの問題形式は「実力の格差」が非常に強く出ます。 勉強が得意な人には効果が大きく、苦手な人には効果が低いというイヤな性質を持ちます。

苦手な人が解くとき

得意な人が解くとき

得意な人が問題を解くとき

勉強が得意な人が解くときと、苦手な人が解くときでは、頭の使い方が全く違います。

余りに違います。 その結果、同じ問題を同じ量だけしても、その結果は全く違います。 勉強の効率が全く違うことになりますね。 得意な人は、

  1. 多分この中: 候補をたくさん出す
  2. だからこれ: 条件で絞り込みをかけて推測する
  3. やはりそう: 答えを出して正誤を確認する (答え合わせ)
  4. なんだか変: 問題それ自体に対する違和感 (メタ認知と言います)

こんな風に問題が見えています。 ここまで違っているのですから、問題集の効果が違っているのも当然です。 なぜ問題集を成績の良い人と同じだけしても効果が同じでないのか、追いつけないのか、 それは「問題集をしている」とはいえ、そこで行われていることが全く違うからと言えますね。

塾でそういう問題集の取り組み方を身に着けてもらえれば幸いです。


  1. 真意: 本当の気持ち、本当の意味 

  2. 自覚: 自分の置かれている状態や能力などをはっきり知ること。 

  3. おちいる: 落ちて中にはいる。はまる。おちる。